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2005.09.02

同族会社における第3者割当増資の株価

1. 税務上の株式評価

  • 税務上、非上場会社の株式評価は「財産評価基本通達」に規定され、相続税だけでなく、法人税や所得税も課税上弊害のない限り、これを時価としています。

2. 株主割当増資

  • 全株主に持株割合に応じて新株が割り当てられるため、課税は生じません。

3. 第3者割当増資:特定の株主に割り当てるもの

  1. 時価発行増資
    税務上の時価で増資すれば、新旧株主のバランスがとれるため、課税は生じません。
    <算式> 払い込み金額総額÷税務上の時価=株数
  2. 時価を下回る有利発行
  3. 新株主は、税務上の評価よりも安価に取得できるため、旧株主から移転する部分は、課税が生じます。
  • 法人新株主:法人税評価額による受贈益課税
  • 個人新株主:所得税評価額による一時所得・給与所得・退職所得
  • 同族株主である個人新株主:相続税評価額により贈与税課税
時価を上回る高額引き受け(会社再建目的以外)
新株主が、税務上の評価よりも高価で取得するため、旧株主に新株主から移転する部分は、課税が生じます。
  • 他の株主へ贈与目的で高額引き受けした法人新株主:法人税評価額による寄付金課税
  • 法人旧株主:法人税評価額による受贈益課税
  • 同族株主である個人旧株主:相続税評価額により贈与税課

増資を行う会社側には課税はありませんが、特定の株主が税務上の評価以外で増資を行うと、増資の前後で株主の持分割合が変わるため、評価差額に対して課税が生じます。
第3者割当増資を行う場合、調査で指摘されることのないように、予め前後の株価計算をして1株当たりの金額を定め割当株数をお決めください。